キーンコーンカーンコーン...


4時間目の終わりのチャイムが鳴った。それと同時に私は授業の挨拶もそっちのけで
教室を瞬時に飛び出す。自分の後ろから声が聞こえた気がするが、そんなことはどう
でも良くて。走って向かった先は.....


ガラッ



「にっおちゃーっん!」



どうやらこちらは挨拶を既に終えていたようだ。私は目的の者を確認すると、飛び掛か
るように抱きついた。一瞬で包容感に満たされるのだが、こんなことをしている場合じ
ゃない!と思い出し、今度はベリッと体を剥がし本人の顔の方を見上げる。



「お弁当一緒に食べッ・・・」



私の言葉は一瞬で固まった。見上げた先にある顔は抱きつこうとしていた本人では
なく、丸井ブン太だったのだ。でもこれは毎度のことで、私としては恋愛対象外の奴
なんかに抱きつきたくないのだが、仁王に抱きつこうとするといつも決まってブン太
に抱きつくように仕組まれる。



「えと...?」



こんなの日常茶飯事なのに、いつも顔を染めるブン太はチョット可愛いのだけれど、
そう思う自分が気に食わなくなるんだ。



「・・・にぉのバカーッ!!」

「何じゃ、ブンちゃんだと不満か?」

「うん!」



そう即答した私に「え、」と固まるブン太。

でも、私的には におちゃんも恋愛対象外に当て嵌まるのだ。なんていうか、自分
では幼馴染みであり、"お兄ちゃん"の定位置。




「仕方ないのぉ」




そう言って、におちゃんは優しく私を包んだ。教室に居た女子の大半が声にならな
い叫びを上げたが、そんなの無視をしてさっきとは違う包容感を味わう。










でも何か。







凄く嬉しい筈なのに・・・







気持ち悪い。







だって...いつもと違う。










"いつもと違う"?何を言っているんだ私は。いつもはブン太に抱きつくようになって
しまうのだから、違うに決まってる。だってブン太はフワッと柔らかくて温かい。でも、
にぉの鍛え上げた身体はブン太の感触とは全然違った。だから少し、私の身体が
吃驚しただけだ。



「(急に熱いのを触ったような感覚だよ、多分。)」



そう私に言い聞かせた。けど、私はその熱さに慣れることを拒んだ。


























やっぱり、ブン太がいい。


























私の自問自答に結論が出たとき、行き成り後ろから優しくも強く腕を引っ張られ、
柔らかい感触が全身に伝わった。



「仁王、お前見せ付けてんじゃねぇよ!」

「何言っとるんじゃブンブン。が望んだんゼヨ。」

「俺がムカつくから駄目!」



私が付いて行けなくて、分からない会話をする2人。私も私で平然とブン太に抱き
ついているが、今さっき自分の中で"好き"と言う感情がハッキリ、したので、この
嬉しさと恥ずかしさは尋常ではない。



「んだから、は俺んの!!」


「・・・あの、さ?」

「ぇ、うぁッ!?」



私が唐突に話しかけると、今まで気付いていなかったかのようにブン太は驚き、一瞬
で赤く染まる。だけど、お互い巻付いてる腕を外そうとはしなかったし、思わなかった。


私とブン太が無言で見詰め合っていると、隣から呆れたような溜息が漏れた。



「本当、お前さん等は。」



仁王は私達に背を向けると、「アホじゃのぉ...」と呟き、"ごゆっくり"といった感じで手を
ヒラヒラさせて教室から出て行った。


その様子に赤面で目を丸くして見ていたのは私だけでなかった。程よい温かさを中和
し合っているブン太も仁王を見て私と同じ容姿だ。気を取り戻し、その姿を見つめてい
た私はクスッと笑みを零す。それに気付いたブン太がこっちを向き、優しく微笑み、耳
元で囁いた。





「貰った♪」





その発言に私は胸がキュウっとなる。物扱いされたようで嫌になってきたけど、私は
君が大好きだから、今は許してあげる。





「ブン太の癖に。」






そんな境遇に今、気付く。
周りを見渡したらそりゃ、もう・・・























   今
(...ある意味ね。)  (まさか、にぉ分かってたんじゃ・・・ッ)
























―――――――――――――――――――――――――



今回ゎブンちゃんで攻めてみましたww

またまた日常発展系ですが、なんか展開急ですかね?
というか夢を書いてると時々キャラのしゃべり方が分からなくなります;

本当下手ですみませーん。。。



090927