「蔵ーッ!」

「……急にどないしてん。」

「猫耳、萌える?」

「は?」





猫ハニー!







幼なじみが俺の部屋に急に来たかと思ったらそんなことを言い放った。


そもそも急に入ってきて(ノックなしで)、扉を勢いよく開けて何事かと思えば。



何やて?猫?




「どういうことやねん。」

「そのままやって。それがさぁ、今度、仮装させられるんだよね。」



王様ゲームで見事に当たっちゃってさー、と幼なじみはケラケラと笑う。

今時王様ゲームなんてやっとったんか。



「ほんで?」

「んー。なんかその時はコスプレ出来るものがないからって流れてさ。

よっしゃー!とか思うとったら今日学校で言われてしもて。今度やんねんて。

それが、萌えを追求したんやー言うて猫耳渡されてん。」



まだ着てないけど、とは付け足した。



隣に座る幼なじみを改めて見てみる。



前より少し大人びた。(性格は相変わらずなんやけど。)

スタイルも悪いわけやないし、容姿は俺が言うのもなんやけど、ええ方やと思う。

ねこみみ……、なぁ。



やなかったら興味ないんやけどな。)



言葉にはしないものの、少し興味はあった。




「それで何で俺に聞くん?」

「へ?何が?」

「猫耳萌えやなんや、って。」

「あー…」



は少し言いづらそうにした。完全に目が泳いでいる。




「その、蔵が好きやったらええなぁ、って思うて。」




後頭部に何か衝撃を受けた気がする。

耐えろ、と自分の理性に言い聞かせてみる。

俺の理性はきっとこの無防備な幼なじみのせいで鍛えられとるんやろな。




「い、いや、ほら、結構キワドイ服でな!私、おなか周り大丈夫かなー思うて!

蔵が大丈夫って言ってくれれば自信持てるかなーなんて、そのォ…」

「ええんちゃう?」

「え、まだ見せてないけど…」

なら何でも似合うと思うで。」



少なくとも、幼なじみだとか、好きだとかそういうのを抜きにしても。

は顔を赤く染めて、少し目を泳がせた後、伏目がちに俺を見た。



「…ホンマ?」

「ホンマ。」


俺が笑ってそう言えば、は安心したように笑い返した。















「良かったー。男子って猫耳引かれたらどうしようかなぁ思うてー。」















………男子?



「……男子もおんの?」

「うん、いるよ。」

「やっぱアカンわ。」

「へ?」

「今、それ持っとんの?服。」

「あ、これこれ。」



そう言ってが取り出した紙袋から出てきたのは



(…明らかにこれ布地面積少なすぎやろ…。)




ネタに生きる関西人とは言え、



「…やっぱ、アカンわ。」



好きな女の肌を露出させるほど俺の人格は良く出来ていない。



「え!?何で!?やっぱ猫耳キモい!?」




慌てたようには紙袋から一緒に出てきた猫耳がついたヘアバンドをつける。

正直、かわええ。けど、




「好きな女のかわええ姿を独り占めしたらアカンの?」

「……ふぁ?」

「俺だけの猫でおって。」




甘えてええから、気まぐれでええから、爪立てたって構わんから、




「ええやん、猫耳は。」

「くッ…蔵…?猫耳は、って…何がだめなんよ。」



その気まぐれさで他の男についてくのだけは、勘弁してな。




「罰ゲームは、俺ん前だけですればええわ。」




彼女の頭についたふわふわのそれを取らないように手で押さえて、キスを落とす。




「あ、そういえばうちにもう猫おったな。」

「ちょ、…ちょっ!?」

「んー、やっぱ猫やなく人がええなぁ。」



俺はくすくすと笑いながらを抱きしめた。





















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 相互記念ということで もちゆ様から頂きました!
 
 白石にそんなこと言われたらもぅ私死ねます←
 あ、ぃや死んじゃいけないですょねww

 とぃぅか顔のニヤけが止まりませんっっ
 貴方の猫でいますにゃn(殴ッ

 もちゆ様、本当にありがとうございました!
 これからも宜しくお願いします^^